代表挨拶

新代表幹事挨拶
 本研究会は1995年に門間和夫先生と松尾準雄先生がお二人で設立され、今年で22年目を迎えました。このような歴史ある研究会の代表幹事を、このたび東邦大学の佐地勉先生から引き継がせていただきました、東京医科歯科大学の土井庄三郎です。会員の皆様に一言、御挨拶させていただきます。
 この10年で肺高血圧診療は目覚ましく進歩し、基礎の面でも多岐にわたる研究が積極的に行われてまいりました。本症の発症機序に関しても複数の遺伝子変異、ミトコンドリア代謝異常や種々の修飾因子など幾つかの可能性が考えられていますが、まだまだ詳細は不明です。新臨床分類Group1に分類されている肺動脈性肺高血圧症における末梢肺動脈の病理変化として、中膜平滑筋細胞の増殖、内皮細胞の脱落や新生内膜の増生は特徴的な所見であり、これらはそれぞれの細胞の増殖とアポトーシスやオートファジーのバランスの破綻によるものと考えられています。このような血管リモデリングは、当初は肺高血圧に対する代償的かつ可逆性の変化であるにもかかわらず、何らかのスイッチが入ると非代償的でかつ不可逆性の変化に進展していきます。この代償的リモデリングを非代償的リモデリングに向かわせる病態がわかれば、その進展を阻止するだけでなく、リバースリモデリングも可能にすることができるかもしれません。
 さて、診療科を超えた複数の領域が集う肺高血圧・肺循環領域の学会として、2012年に日本肺高血圧学会が、2013年に日本肺循環学会が設立されました。そして本年4月より2つの学会が統一され、日本肺高血圧・肺循環学会が設立されました。10月1日、2日に統一後初めての第1回学術集会が東京で開催されます。本研究会会員の皆様にも、循環器内科、膠原病内科、呼吸器内科、外科や基礎の先生方とともに、積極的に学術集会に参加していただきたいと思います。今後の本研究会との住み分けは現段階でははっきりしませんが、小児特有の肺循環・肺高血圧の病態、すなわち先天性心疾患における一心室循環や気管支肺異形成など肺の発生発達に関係する領域に関しては、本研究会でこそ十分な議論を尽くすことが必要であり、また重要と考えられます。
 今後も新しい標的治療薬が使用可能となり、臨床面のみならず基礎研究面でもますますの発展が大いに期待される領域です。多くの会員の皆様と本研究会を通して新しい情報を共有しながら、この領域を発展させていく所存ですので、皆様の御協力を宜しくお願い申し上げます。
                                 日本小児肺循環研究会代表幹事
                                 土井 庄三郎

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